勘定科目の設定時は数を少なめに!使わないものは削除して!
こんにちは。大阪市城東区の税理士泉井です。
初めて会計ソフトを使用する場合、デフォルト(初期状態)の勘定科目がたくさんありすぎてどの勘定科目を使えばいいのか迷ってしまいます。
勘定科目がわからなくて入力に時間がかかると経理が面倒と感じるようになり、ついつい後回しになり申告時期に慌てて会計ソフトに入力するようになってしまいます。
クラウド会計ソフト等では勘定科目を自動で処理してくれるのですが、それでも最初の方は自分で設定する必要があります。
勘定科目の設定をする際はできるだけ少なくし、不要な科目は削除して選択するときに表示されないようにすると迷ったり間違えることが減ります。
勘定科目は内容がわかればいい
業種や会社によって使う勘定科目は様々あります。
ガソリン代を「旅費交通費」にしている会社もあれば「燃料費」にしている会社もあります。
使う頻度が少なければ「雑費」にしていることもあります。
資産・負債・純資産・収益・費用の区分さえ間違えなければ最終利益は変わりませんので、勘定科目をみたときにある程度取引の内容がわかるものを使えばいいのです。
資産・負債・純資産・収益・費用の区分はきちんとわける
勘定科目は資産・負債・純資産・収益・費用の5つに分類されます。
所得税や法人税の計算には1年間の利益(収益-費用)を使って計算しますので、この分類を間違えると正しい税金計算ができません。
工具器具備品として資産計上すべきものを、消耗品として費用計上してしまうと利益が違ってしまうので税金も間違った金額になってしまいます。
勘定科目の一覧
個人事業者や小規模な法人で使いそうな勘定科目をまとめてみました。純資産は入力に使う機会がほとんどないので省略しています。
★印は青色申告決算書(一般用)にある科目です。
資産
現金★ | レジや金庫など手許現金 |
普通預金 | 銀行口座 |
売掛金★ | 売上代金の未回収分 |
商品 | 月末・期末の棚卸在庫 |
前払金★ | 商品やサービスを受ける前に支払った代金 |
前払費用 | 期間に応じて支払う費用のうち先払いのもの(家賃など) |
仮払金 |
勘定科目がわからないときに仮に使う。 決算までに残高は0になるようにする |
車両運搬具★ | 事業用の車やバイク |
工具器具備品★ | 10万円未満は費用処理できる |
事業主貸★(個人事業者のみ) | 国民年金や事業主の生活費など |
負債
買掛金★ | 仕入代金の未払い分 |
短期借入金 | 1年以内に返済予定の借入金 |
未払金★ | 仕入以外の未払い代金 |
預り金★ | 従業員給料から引いた源泉所得税・社会保険料・住民税、税理士等の報酬から引いた源泉所得税 |
未払法人税等(法人のみ) | 法人税の未払い分 |
未払消費税 | 消費税の未払い分 |
事業主借★(個人事業者のみ) | 事業のための経費を個人が立替払いしたもの |
長期借入金 | 返済期限が1年超の借入金 |
収益
売上★ | 本業に関する収入 |
受取利息(原則法人のみ) | 銀行預金や貸付金の利息 |
雑収入 | 本業以外の収入 |
費用
仕入★ | 材料や商品の仕入 |
役員報酬(法人のみ) | 役員給与 |
給料手当 | 役員以外の給料・賃金 |
法定福利費 | 社会保険料、労働保険料 |
租税公課★ | 固定資産税・自動車税・事業所税・印紙などの税金(所得税や住民税は該当しません) |
水道光熱費★ | 水道・電気・ガスの料金 |
旅費交通費★ | 電車賃、タクシー代、コインパーキング、宿泊費など |
通信費★ | 電話料金、切手代、インターネット料金など |
広告宣伝費★ | チラシ、DM、HP作成料など |
接待交際費★ | 取引先との飲食費、お中元・お歳暮、香典、祝儀、ゴルフなど |
保険料 | 損害保険、自動車保険など |
修繕費★ |
店舗、機械、車、備品などの原状回復費用(20万円以上の場合は資産計上となる場合があります) |
消耗品費★ | 10万円未満の備品、文房具などの消耗品 |
減価償却費★ | 車両や備品などの資産を耐用年数に応じて費用化 |
福利厚生費★ | 従業員の慰安、医療などのための支出 |
外注費 | 外部に仕事を発注した場合の経費 |
支払手数料 | 振込手数料、税理士報酬、仲介手数料など |
地代家賃★ | 店舗・工場の家賃、月極駐車場代 |
必要になれば後で追加すればいい
勘定科目はいつでも追加・削除ができます。
資産・負債・純資産・収益・費用の区分がきちんと分かれていれば勘定科目は内容がわかればいいです。
使用頻度が少ないので雑費にしていたけど金額が大きくなったり回数が増えてきたら別の新しい科目に振り替えればいいのです。
仕訳を見ていると摘要欄が未入力のときがありますが、それはやめてください。
摘要欄には取引の内容や相手の名称などを入力します。
摘要欄が未入力でも仕訳の登録ができますが、未入力だとその取引の内容が勘定科目と合っているか確認できないので請求書など入力の元となった資料を探さないといけないので大変です。
会計ソフトでは、日付・勘定科目(補助科目)・摘要・金額・消費税区分を入力します。
このうち日付・摘要・金額の入力には迷うことがないので後から変更することがないようにしましょう。
摘要欄の入力ができていると摘要の検索や集計ができ勘定科目の追加や変更する際に必要なので空欄にならないようにしましょう。
まとめ
勘定科目は全部使う必要ないので1年間で集計したときに金額が小さい勘定科目や、去年は使ったけど今年は使わなかったという使用頻度の低い勘定科目は他の科目にまとめてもいいかもしれません。
ですが、自動車税や年払いの保険料など年に1回しかないけど毎年必ず発生する勘定科目は残しておくと計上漏れが防げたり支払の予測がしやすくなると思います。
また、売掛金や普通預金などの勘定科目の中に補助科目という相手先別や銀行別に設定できます。
補助科目を設定すれば相手先別の売掛金残高や買掛金残高が確認できるのでうまく活用して記帳しましょう。