仕事のかけもちしてても提出先は1ヶ所だけ!扶養控除申告書の書き方
こんにちは。
11月に入り年末調整の準備が始まっているのではないでしょうか。
控除証明書関係のハガキは10月中に郵送されているのがほとんどですので、後は書類に記入して勤務先に提出しなければいけません。
今回は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方を確認していきます。
目次
年末調整時に提出が必要な書類
年末調整時に勤務先に提出が必要な書類は以下になります。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書(記入例はこちら)
- 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書(記入例はこちら)
- 保険料控除や住宅借入金残高等の証明書(ローン控除申告書の記入例はこちら)
- 前職の源泉徴収票
証明書や源泉徴収票は受け取ったものをそのまま提出すればいいのですが、申告書はご自身で記入しなければいけません。
扶養控除申告書はその年の「最初」と「最後」の2回書く
これが扶養控除等(異動)申告書になります。
この書類はその年の最初の給料を受ける前までに勤務先に提出する必要があるので来年分(令和3年分)となっています。
令和2年分は去年の年末調整時に提出しているはずですが、提出時から扶養の数などに変更があったりするので、令和3年分の書類と一緒に令和2年分の書類をもう一度書いてもらうことが多いです。
アルバイトで複数掛け持ちしてても扶養控除申告書を出すのはメインの職場1ヶ所だけ
この書類の提出がないと毎月の給料から引く源泉所得税は下の表の乙欄で計算しますし、提出があれば甲欄で計算します。
扶養控除申告書は1つの勤務先にしか出せませんので2ヶ所以上で働いている場合はメインとなる1ヶ所にだけ提出します。
したがって甲欄で計算できるのも1ヶ所だけとなります。
扶養控除(異動)申告書の書き方
この書類で配偶者控除や扶養控除・寡婦控除などを受けるかを申告します。
勤務先・提出者の内容
一番上は勤務先の名称やあなたの氏名を記入します。
左側(税務署や支払者の名称等)は勤務先が記入するので基本的に記入不要です。
黄色で囲ったところにあなたの住所・氏名・生年月日・マイナンバー・世帯主・世帯主との続柄・配偶者の有無を記入します。
一番右の「従たる給与について…」は2ヶ所目の勤務先にその書類を提出している場合に〇を付けるのでほとんどの方は空欄のままになります。
配偶者や扶養親族がいない場合や障害者控除・ひとり親でない場合はこれだけで終了です。
黄色の箇所だけ記入して勤務先に提出します。
配偶者の欄
Aの欄は配偶者(特別)控除を受ける場合に記入します。
配偶者の氏名・生年月日・マイナンバー・その年の所得の見積り額・住所を記入します。
所得とは給料の総額から55万円を引いた金額になります。
この所得見積り額が95万円以下の人が源泉控除対象配偶者になるので所得が95万円超(給料が150万円超)の場合はA欄に記入しません。
扶養親族の欄
B欄は配偶者以外の扶養親族(16歳以上の子供や親)を記入します。
B欄には老人扶養親族と特定扶養親族があります。
老人扶養親族は70歳以上の親族をいい、同居している両親の場合は”同居老親等”にチェックします。
特定扶養親族は子供が19歳から22歳の場合にチェックします。
その年の所得が48万円以下でないと扶養控除の対象にならないので気を付けてください。
障害者・寡婦・ひとり親控除
C欄には本人又は扶養親族が障害者の場合や、寡婦・ひとり親、勤労学生の場合にチェックします。
寡婦とは、夫と離村した後婚姻をしていなくて扶養親族がいる人、又は夫と死別した後婚姻をしていない人をいいます。
寡婦控除・ひとり親控除についてはこちらを参考にしてください。→2020年 年末調整の注意点
勤労学生は大学生や高校生で年間の給与収入が130万円以下の人になります。
他の人が扶養控除を受ける場合
D欄は子供がいるけど夫(妻)の扶養にするので自分の扶養にはしません、という場合に記入します。
特に何も記入しなくて問題ないと思います。
住民税に関する事項
個の欄は16歳未満の扶養親族を記入します。
16歳未満の扶養親族は、所得税・住民税の扶養控除になりませんが、住民税の非課税の判定で使用します。
住民税の扶養是正
配偶者控除や扶養控除を受けるには所得が95万円や48万円以下でないといけません。
所得が超えているのにもかかわらず年末調整で控除を受けても、市役所には本人や親族の源泉徴収票や確定申告書が送られるので所得が超えて控除を受けられないことがバレてしまいます。
毎年6月から9月頃に市役所から勤務先や税務署に誤りの通知が届くので年末調整のやり直しをして不足分の税金を払う必要があります。
後で払うと損した気分になるので所得金額はなるべく正確な数字を記入するようにしましょう。