法人の年間スケジュール

法人の1年間の申告・事務手続き等のスケジュールをまとめてみました。

3月決算法人で作成しています。

各月の手続き

手続きで大変なのは法人税・地方税・消費税の確定申告ではないでしょうか。

申告書・決算書・内訳書の作成と納付が必要ですし、それ以前に会計を締めないと作ることができません。

地方税は事業所が所在する自治体ごとに提出しないといけませんので、店舗などがたくさんある会社は申告書の提出だけでも面倒です。

電子申告で提出すると紙での印刷がなくなりますし、税理士事務所では電子申告がほとんどです。

規模の大きい会社では四半期ごと(3ヶ月ごと)に税金計算しています。四半期ごとに計算する余裕がなくても決算前に仮の申告書を作成して税金がどれくらいになるか計算する方が、納税予測もできるし申告書作成の準備にもなります。

申告書の他にも、従業員数が多い会社は年末調整関係の手続きに苦労します。

従業員から一度に全ての資料を回収するのは不可能なので、資料の回収→確認→不足資料・確認事項の連絡→追加資料の提出・確認事項の回答→確認、と全て解決するまで何回も繰り返すことになります。

今年から年末調整の電子化が一部スタートしますが、電子化だと従業員側の手間が増えるので、まだ当分は面倒な手続きとなりそうです。

4月

  • 固定資産税の納付
  • 軽自動車税の納付
  • 雇用保険料率の変更

5月

  • 法人税・消費税の確定申告、納付…税務署へ提出(事業年度末から2か月以内)
  • 法人住民税・法人事業税・事業所税の確定申告、納付…都道府県・市町村へ提出(事業年度末から2か月以内)
  • 定時株主総会・取締役会の開催(事業年度末から3ヶ月以内、開催後申告書を提出)
  • 役員変更登記(変更があった場合のみ)…法務局へ提出(2週間以内)
  • 役員報酬の改定(株主総会・取締役会で決定)
  • 自動車税の納付

6月

  • 個人住民税特別徴収額の改定(6月~翌年5月まで給与から徴収、原則翌月10日に納付)

7月

  • 社会保険算定基礎届(年金事務所へ提出、毎年7月10日期限)
  • 労働保険の年度更新、納付(労働基準監督署へ提出、毎年6月1日から7月10日まで)
  • 固定資産税の納付
  • 賞与の支給があれば賞与支払届(年金事務所へ提出、5日以内)

8月

お盆休み

9月

  • 社会保険料の改定

10月

  • 労働保険料の納付(延納の場合)
  • 従業員へ年末調整書類の配布

11月

  • 法人税等の中間申告・予定申告、納付…税務署・都道府県・市町村へ提出
  • 年末調整資料(生命保険料控除証明書や住宅借入金残高証明書など)の回収

12月

  • 年末調整・源泉徴収票の作成
  • 固定資産税の納付
  • 賞与の支給があれば賞与支払届(年金事務所へ提出、5日以内)

1月

  • 法定調書合計表…税務署へ提出(毎年1月31日まで)
  • 給与支払報告書…市町村へ提出(毎年1月31日まで)
  • 償却資産申告書…市町村へ提出(毎年1月31日まで)
  • 労働保険料の納付(延納の場合)

2月

  • 固定資産税の納付

3月

  • 社会保険料率の変更

毎月必要な手続き

  • 源泉所得税の納付(納期の特例の場合、7月10日と1月20日までに納付)
  • 住民税特別徴収の納付(納期の特例の場合、6月10日と12月10日までに納付)
  • 社会保険料の納付

変更があったときに必要な手続き

  • 従業員を採用したとき…社会保険・雇用保険の加入手続き、住民税の特別徴収への切替
  • 従業員が退職したとき…社会保険・雇用保険の喪失手続き、源泉徴収票の作成、住民税の普通徴収への切替
  • 登記内容(社名・取締役など)に変更があったとき…変更登記(法務局へ提出)、異動届(税務署・都道府県・市町村へ提出)
  • 事業所を追加したとき…事業所設置届(都道府県・市町村へ提出)
  • 固定賃金に変動などがあり3ヶ月の標準報酬月額に2等級以上の差が生じた場合…月額変更届(年金事務所へ提出)

従業員の出入りが多いと人事関係の手続きがその分多くなります。また、保険証や離職票の発行は1~2週間かかりますし、従業員側も早く欲しいのですぐに手続きしないといけません。

迅速に対応できるよう採用時・退職時に必要なリストを作成しておくといいでしょう。

準備してても不備はある

年に1回あるかないかの手続きはどれだけ準備して提出しても書類の添付漏れなどの軽微な不備があることもあります。

不備があると手続きの処理が止まって遅くなってしまいますが、特に初めての手続き関しては少しは不備があっても仕方ないと考えて早めに提出するといいでしょう。

事前にしっかり準備して重大な誤りがなければ、不足書類の提出などで済むケースが多いです。

早め早めの対応が大事

3月決算の場合では8月と2月は事務手続きがありませんでしたが、8月はお盆休みがありますし2月は28日しかなく祝日もあるのでバタバタすると思います。

確定申告期限は2ヶ月ありますが2ヶ月目から準備すると急な納税資金が必要になって資金繰りが大変になってしまいます。

なので半期に一度、期末1ヶ月前に一度、税金の試算をして決算シミュレーションをすると納税資金の確保や決算対策ができるようになり、確定申告書も1か月程度で提出できるようになります。

決算が早く締まると翌期の予算や役員報酬の見直しも余裕をもってできるのではないでしょうか。