急に固定資産税が高くなった!その理由は?

こんにちは。

毎年4月に市役所から送られてくる固定資産税の納付書。いつもは前の年とあまり税額が変わらないのに急に高くなったことはないでしょうか。

新築の住宅には減税措置があり住宅部分にかかる固定資産税の2分の1が3年間(マンションなどは5年間)減額されます。他にも、更地よりも住宅用地(居住用建物の敷地)の方が固定資産税が安くなります。

固定資産税は市町村が税額を計算していますし前年と同じ金額の場合もあります。それが急に倍ぐらいの金額になることもあるので今回は固定資産税について確認してみましょう。

1.固定資産税とは

固定資産税とは、土地や家屋などの不動産と事業用の機械や備品などの償却資産の所有者にその固定資産の所在する市区町村が課税する税金です。

固定資産の所有者といっても売買などで所有者が変わるといったい誰に課税するのか疑問が出てくると思います。

固定資産税などの賦課課税方式の税金には賦課期日といって課税の要件が決まる日があります。

固定資産税の賦課期日は1月1日です。

1月1日時点の固定資産でその所有者に対して課税されます。

なので1月2日以降に土地を購入した場合はその年の固定資産税は購入相手(1月1日の所有者)の方に課税されます。つまり年の途中に売却して所有者でなくなったとしてもその年の固定資産税は売主が納税しなければいけません。

土地の売買で固定資産税の精算をすることがありますが、これは売買代金の一部になるので固定資産税ではなく土地の代金になります。

固定資産税の課税要件をまとめると次のようになります。

  • 賦課期日(課税が決まる日)…1月1日
  • 賦課期日時点の所有者が納付しないといけない
  • 土地、家屋、事業用の償却資産に課税される
  • 固定資産がある市区町村ごとに納付書が送られてくる
  • 標準税率は1.4%(市町村により異なる)、市街化区域内の土地・家屋には0.3%の都市計画税も課税される

2.計算方法と支払時期

固定資産税額は次のように計算します。

固定資産税額=課税標準額(評価額) × 税率(固定資産税1.4%、都市計画税0.3%)

評価額とは固定資産の価値を市町村が決めた価格のことで

土地については、地価公示価格の70%を目途に決められます。

家屋については、家屋を新築するのに必要な工事費に相当するものに経過年数を考慮して決められます。工事費に相当するものは国の基準に照らし合わせて決められるので実際の購入金額とは異なります。

償却資産については前年度の評価額(前年に取得した場合は取得価額) × 減価残存率(減価償却費の償却率とは違います)

また、土地・家屋の価格は3年に一度評価替えがあり、評価替えのない年は原則として前年の価格が据え置かれます。

固定資産税の納期は4月、7月、12月、2月の年4回で市町村により1~2ヶ月違うところもあります。もちろん4月に一括で払うこともできます。

各納期より前に払うと最大年利1%の割合で固定資産税が安くなる前納報奨金といった制度があるのですが、ほとんどの市町村は報奨金制度は廃止していて現在実施している市町村はあまりありません。

3.課税標準の特例措置、固定資産税の減額措置

土地や家屋にかかる固定資産税には一定の条件を満たすことで税額が軽減される措置があります。

代表的なものは①住宅用地の特例措置②商業地等の負担調整措置③新築住宅の減額です。

①と②は土地に対するもので③は家屋に対するものになります。

①住宅用地の特例措置

住宅用地(住宅の敷地として使われている土地で家屋の総床面積の10倍までの土地など)については住宅用地の特例措置があります。

住宅用地に該当すれば下記に応じた特例率が適用されます。

区分定義固定資産税の特例率都市計画税の特例率
小規模住宅用地200㎡以下の部分1/61/3
一般住宅用地200㎡を超える部分1/32/3

つまり住宅用地の課税標準は次のようになります。

小規模住宅用地の課税標準額=評価額×1/6(都市計画税は1/3)

一般住宅用地の課税標準額=評価額×1/3(都市計画税は2/3)

②商業地等の負担調整措置

住宅用地以外の宅地及び宅地比準土地である宅地等を商業地といいます。

商業地等の課税標準は原則として次のようになります。

商業地等の課税標準額=評価額×70%

③新築住宅の減額

新築住宅が次の床面積の要件を満たしていれば、その住宅部分のうち120㎡までの部分にかかる固定資産税の2分の1の額が一定の期間減額されます。

住宅部分の床面積要件…50㎡以上280㎡以下(一戸建て以外の貸家住宅の場合は40平方メートル以上)

減額される期間

右記以外の住宅3階以建て以上の耐火・準耐火住宅
下記以外の住宅新築後3年間新築後5年間
認定長期優良住宅新築後5年間新築後7年間

4.まとめ

土地の固定資産税額についてはその土地の上に住宅があるかどうかで2~4倍違ってきます。店舗の土地や更地よりも住宅用の土地の方が税額が安くなっているのです。

家屋の固定資産税額については新築の住宅には50%の減税措置があります。これは新築後3年~7年間の期間限定の減税措置なので期間が終わると前年の2倍の税額になるので増税されたのかと思ってしまうのです。