振込手数料が引かれて入金された場合の仕訳

こんにちは。大阪市城東区の税理士泉井です。

取引先とのお金のやりとりでは銀行振込で、振込手数料は受取人負担としている方がほとんどです。

請求書に「振込手数料はご負担ください」と記載していても手数料を引いて振り込まれることもよくあります。

また、実際の銀行手数料ではなく一律に770円とか880円を引いているところもあります。

この手数料分を処理しないと売掛金などの残高にずっと残ってしまうので、仕訳をきって正しい残高になるようにしましょう。

支払手数料または雑費で費用処理

消費税込110,000円の売上代金が振込手数料770円差し引かれて入金されたときは

普通預金 109,230円 / 売掛金 109,230円

となりますが、このままだと売掛金が770円残ったままになるので

支払手数料 770円 / 売掛金 770円

の追加仕訳が必要になります。

支払手数料の勘定科目を使っていなければ雑費でも構いません。

ちなみに、支払った側の会計処理は

借方 貸方
買掛金 109,230円 普通預金 109,230円
買掛金 770円 普通預金 770円

となります。

値引きとして処理する方法もある。

上記とは別に、手数料相当額を値引きしたと考えて処理することもできます。 

借方 貸方
普通預金 109,230円 売掛金 109,230円
売上値引 770円 売掛金 770円

また、支払った側の会計処理は

借方 貸方
買掛金 109,230円 普通預金 109,230円
買掛金 770円 仕入値引 770円
支払手数料 770円 普通預金 770円

となります。

値引きで処理するよりも支払手数料で処理した方がわかりやすいと思います。

どちらの処理をしても基本的に損益・消費税額は同じになるので。

値引処理を使ったメリット

消費税の簡易課税を選択している事業者の場合は値引処理をした方が僅かですが消費税の納税額が少なくなります。

通常、消費税の計算は売上で預かった消費税から仕入・経費で支払った消費税を差し引いた残りを納税します。

しかし、簡易課税を選択すると売上のみから納税額を計算するので仕入・経費で支払った消費税は関係ありません。また、売上値引は売上から差し引くことができます。

したがって簡易課税をしている事業者が売上値引で処理をすれば、売上に係る消費税が減らせるので納税額を減少させることができます。

消費税率の問題

2019年10月以降、消費税率は10%になりました。しかし食料品など軽減税率が適用されるものは8%になっています。

売上のなかに10%と8%の両方がある事業者で値引処理をしている場合は消費税率を間違えないようにしましょう。

銀行の振込手数料は10%ですが、売上値引は売上時に使用した消費税率になります。

あと、2023年10月1日以降に開始が予定されているインボイス制度が始まると値引処理には「適格返還請求書」という書類を売り手から買い手に交付する必要が出てきます。

「適格返還請求書」を作成・交付する事務作業・コストの方が、値引処理の節税より高くなってしまいそうです。

インボイス制度についてはまた別の機会に確認していきます。

振込手数料の他に引かれているのがないか確認

振込手数料の金額は銀行や法人か個人か、または振込額によって違ってきます。

千円以上かかることはこれまで見たことないので(窓口で振込手続きしたらあるかもしれません)、100円、200円、300円、400円、500円、600円、700円、800円、900円のどれかになります。

現在消費税率は10%なので税込で110円~990円になり一の位は必ず0ですので、振込額と請求額との差が千円以上あったり、一の位が0以外の時は振込手数料以外の何かが引かれている可能性が高いので必ず確認しましょう。

個人の方だと源泉所得税が引かれていることもありますし、単純に振込額を間違えただけかもしれませんので原因が分からないときは直接確認するようにしましょう。

未収・未払残高は常に正しい数字を把握しておこう

振込手数料の処理を放っておくと正しい残高が分からないだけでなく、もしも相手や自分が振込額を間違えたときに未入金分や過払い分を回収できなくて損失となることもあります。

半年や1年後に間違いに気付いても連絡が取れなかったりするので手数料仕訳は毎回処理するようにしましょう。