個人事業者の納税時期を確認しましょう

こんにちは。

事業を行う上で税金の支払いが必ず発生してくるのですが、税金の種類によって支払日が違いますのでどの税金をいつ払うのかだんだんわからなくなってきます。

年間の支払期限や金額を把握しておくことは資金繰りを考えるのに重要です。

今回は個人事業者の年間の納税カレンダーを確認してみましょう。

個人事業者で申告・納付等が必要な税金の種類

 一般的な個人事業者で発生しそうな税金の種類は下記の8つです。 

 ①所得税…確定申告が必要

 ②消費税…課税事業者の場合(2年前の課税売上高が1千万円超の場合など)確定申告が必要

 ③住民税…所得税の申告をしていれば申告不要

 ④事業税…所得税の申告をしていれば申告不要

 ⑤固定資産税・償却資産税…償却資産の申告が必要

 ⑥給与にかかる源泉所得税

 ⑦給与にかかる住民税特別徴収

 ⑧その他…事業所税、軽自動車税、自動車税

上記の税金以外に、従業員を雇っていて社会保険に加入していれば毎年7月に算定基礎届や労働保険の年度更新の社会保険手続きも必要になります。

償却資産税って何?

償却資産税は固定資産税の一部で事業者の減価償却資産(建物・乗用車等を除く)に課されます。

税額は市町村が計算するのですが、どんな資産を持っているか役所が把握するため事業者が毎年1月31日までに前年の資産の増減を申告します。納付書は固定資産税と同じ時期(5月頃)に送られてきます。

償却資産税は課税標準額が150万円未満の場合には課税されませんので申告だけで納付は不要となります。

月別の申告・納付期限

 ⑥と⑦の源泉所得税と住民税の特別徴収は原則として支払った月の翌月10日が納付期限となります。(10人未満の場合は届出により半年ごとにまとめて納付することもできます。納期の特例)

6月の手続き…③住民税第1期の納税、⑦住民税特別徴収納期特例分の納税

7月の手続き…①所得税予定納税第1期の納税、所得税予定納税減額承認申請、⑤固定資産税第2期の納税、⑦源泉所得税納期特例分の納税

8月の手続き…②消費税中間申告・納税、③住民税第2期の納税、④事業税第1期の納税

9月の手続き…特にありません。

10月の手続き…③住民税第3期の納税

11月の手続き…①所得税予定納税第2期の納税、所得税予定納税減額承認申請、②消費税中間申告・納税、④事業税第2期の納税

12月の手続き…⑤固定資産税第3期の納税、⑥年末調整、⑦住民税特別徴収納期特例分の納税

1月の手続き…③住民税第4期の納税、⑤償却資産税の申告、⑥源泉所得税納期特例分の納税、支払調書・合計表の提出、⑦給与支払報告書の提出

2月の手続き…⑤固定資産税第4期の納税

3月の手続き…①所得税の申告・納付・延納届、青色申告の承認申請、②消費税の申告・納付、⑧事業所税の申告・納税

4月の手続き…⑤固定資産税第1期の納税、⑧軽自動車税の納税

5月の手続き…②消費税中間申告・納税、⑧自動車税の納税

分割払いの税金を一括で払うと得?

固定資産税や住民税は、年4回に分けて納付するのと、1回目に全額払う、の2通りの納付書が送付されてきます。

以前は一括で払ったり納期より前に払うと報奨金として税額を割り引く(最大年利1%)制度があったのですが、現在は多くの自治体でその制度は廃止されています。

なので一括で払うメリットはあまりありませんが、いずれ払わないといけないので納付を忘れないようにしましょう。

納付書は自分で作成するのもあれば、送られてくるのもある

納付書は自分で金額を書いて使うのもあれば、金額や期限が記載されたものが役所などから送付されてくるのもあります。

送られてくる場合は期限の1~2ヶ月ぐらい前に届きます。住民税の場合は1年分まとめて送付されます。

届いたときは「まだ期限まで時間あるし後で納付しよう」と考えていても1ヶ月もするとつい忘れてしまったり納付書も他の書類と紛れてなくなったりしてしまいます。

口座振替やインターネットバンキングなどで納付することもできるので自分に合った支払方法を選んで下さい。

主な支払方法

税金の支払い方法は大きく分けて①紙の納付書を使って金融機関やコンビニで納付②振替納税や口座振替にして自動的に銀行口座から引き落とされる③電子納税やPay-easy(ペイジー)などネットバンキングを使って納付の3種類あります。

所得税と消費税の申告納付期限は3月ですが振替納税を選ぶと4月中旬となり1ヶ月程度納税を遅らせることができます。

まとめ

税額や規模により全ての手続きが必要なわけではありませんがほぼ毎月何かしらの手続きや納税が必要になります。

今年の見込税額がわからない場合は過去の税額でもいいので月別の税額一覧表を作成して今後の資金繰りの参考にしてはいかがでしょうか。