法人設立届の記載例と添付書類

こんにちは。大阪市城東区の税理士泉井です。

株式会社など法人を設立したら税務署・都道府県・市町村に設立届を提出する必要があります。

e-TaxやeLTAXを使って電子申請する方法もあるのですが電子証明書が必要なので、今回は紙での提出方法について確認していきます。

提出先は国・都道府県・市町村の3ヶ所

税金には国税と地方税の2種類があり、地方税には都道府県が課税するものと市町村が課税するものがあります。

  • 国税…法人税、所得税、地方法人税、消費税、相続税、贈与税など
  • 都道府県税…住民税、事業税、配当割、株式等譲渡所得割、自動車税、不動産取得税、自動車取得税、ゴルフ場利用税など
  • 市町村税…住民税、固定資産税、都市計画税、軽自動車税、事業所税、国民健康保険税、入湯税など

法人を設立したら国(税務署)と都道府県・市町村にそれぞれ届け出る必要があります。

店舗や事務所などが複数の都道府県・市町村にある場合は所在する各都道府県・市町村ごとに提出する必要がありますので注意が必要です。

提出期限

税務署には法人設立の日(設立登記の日)から2ヶ月以内に提出が必要です。

都道府県・市町村の提出期限は各自治体によって異なります。大阪府・大阪市の場合は設立の日から2ヶ月以内ですが自治体によっては10日以内のところもあります。

書類の入手方法

届出書は提出先のホームページからダウンロードできます。

税務署と大阪府、大阪市の設立届出書は以下のリンク先にあります。

税務署…法人税設立届出書

大阪府…法人設立等申告書

大阪市…法人設立・事務所等開設申告書

他の都道府県・市町村の様式が必要な場合は「〇〇県 法人設立届」等で検索すると出てきます。

記載例

①提出日

書類の提出日を書きます。

②提出先税務署

管轄の税務署を書きます。

③本店所在地

登記してある本店の所在地、電話番号を書きます。

④納税地

納税地に関する届出をしていない場合、「同上」と書きます。

⑤法人名

法人の名称を書きます。

⑥法人番号

設立登記後、法人番号の通知が届きます。提出日までに通知がない場合は何も記入しなくて大丈夫です。こちらから検索することもできます。

⑦代表者氏名 ⑧代表者住所

法人の代表者の氏名、住所を書きます。

印鑑は会社実印または代表者の認印を押印します。

⑨設立年月日

登記簿に記載されている設立の年月日を書きます。

⑩事業年度

定款に記載されている事業年度を書きます。

⑪資本金・出資金の額

設立時に登記した資本金の額または出資金の額を書きます。

⑫消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日

設立時の資本金又は出資金の額が1,000万円以上の法人は、その設立年月日を書きます。

この場合設立1期目から消費税の納税義務があります。

⑬⑭事業の目的

⑬には定款に記載している事業目的のうち、主要なものを書きます。

⑭は⑬と同じなら「同上」で大丈夫です。

⑮支店・出張所・工場等

支店、出張所、営業所、工場等があれば登記の有無に関わらず書きます。

⑯設立の形態

個人事業から法人成りしたときは1に〇を付け、個人事業のときの所轄税務署と整理番号を書きます。

資本金として金銭を出資した場合は5に〇を付け「金銭出資による設立」等と書きます。

⑰適格区分

⑯が2~4である場合に該当箇所に〇を付けます。

⑱事業開始年月日

基本的には設立年月日を書きます。

⑲「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無

「給与支払事務所の開設届出書」を一緒に提出するときは有に〇をつけます。

⑳関与税理士

関与している税理士がいる場合は、その税理士の氏名、事務所所在地、電話番号を書きます。

㉑添付書類

1に〇を付け定款を一緒に提出します。

「設立の形態」が2~4の場合、合併契約書等も必要となります。

㉒税理士署名押印

顧問税理士が法人の代わりに提出する場合、税理士の署名・押印をします。

地方税の届出書記入の際の注意点

都道府県・市町村に提出する設立届は税務署提出用の設立届とほとんど同じですが少し記入箇所が多くなっています。

下記に注意点をまとめてみました。

  • 「設立」か「開設」か区分する…地方税は事業所ごとに設置の届出が必要なので設立後、本店所在地以外に事業所を増やしたときには「開設」を選択する。
  • 収益事業の有無、非営利型の区分…株式会社は全ての事業が収益事業になります。NPO法人や社団法人は非収益事業を行っている場合があります。
  • 資本金等の額…資本金以外に資本準備金などがあるときは、それらの合計額を書きます。
  • 法人税の申告期限の延長処分の有無…会計監査などで2ヶ月以内に申告書を提出できない場合、税務署へ申告期限延長の申請をすることができます。税務署へこの延長申請をしていれば「有」に〇をし、延長期間を書きます。
  • 添付書類…定款以外に登記簿謄本(履歴事項全部証明書)も添付が必要です。